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TKC東北会秋田県支部主催の講演会~当法人の長谷部光重理事が「ブランディング」を語る~

 令和2年8月19日(水)、秋田市中通の「パーティーギャラリーイヤタカ」で開催されたTKC秋田県支部主催の講演会に、当法人の会員15名が参加しました。今回の講師は、当法人理事でもある長谷部光重氏(長谷部光重税理事事務所所長)。「ブランディング」をテーマに時計、車、スポーツシューズのブランドや温泉街の観光戦略など、たくさんの例を紹介しながら重要なことをお話いただきました。

長谷部氏は今回、有名映画「007」シリーズで5代目ジェームズ・ボンドを演じたピアース・ブロスナンをアンバサダーとした「オメガ」や、クリスティアーノ・ロナウド(サッカー選手)も所有する「ラ フェラーリ」、フェラーリと高級時計メーカーウブロがコラボした腕時計「ラ・フェラーリ」サファイアといったブランドを紹介。

ウブロは、元F1レーサーの故・アイルトン・セナとコラボしたり、元陸上選手のウサイン・ボルト、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大選手、サッカーの本田圭佑選手など、誰もが知っている人をアンバサダーに迎えたりして、ブランディングを成功させています。

また、スポーツシューズブランドでは、アシックスの創業者である鬼塚喜八郎を紹介。「徹底的にニーズをリサーチし、汲み取り、技術開発して商品化する」という鬼塚の情熱に触れながら、開発したシューズ「オニツカタイガー」をマラソンのアベベ選手が履いたこと、アシックスの前身であるオニツカにいた伝説のシューズ職人・三村仁司氏が担当した有名アスリート(高橋尚子さん、有森裕子さん、イチローなど)などを紹介しました。

長谷部氏はこれらの事例を踏まえ「ブランディングでは、誰にどういった形でアンバサダーを依頼するかや、有名人、これから有名になりそうな人とコラボするかといったことは非常に重要なことだ」と強調したほか、未来ニーズを読む先見性や、その戦略を実施するだけの「確かな品質」「完全な実績」の大切さについても説明しました。確かに、有名なロゴやキャッチコピー、有名人や時の人が所有しているもの、誰もが「モノがいい」と感じるものには、購買意欲がわいたり憧れを持ったりするものです。

また、観光戦略のお話では、草津温泉が有名な草津町(群馬県)のデジタルマーケティングを紹介。草津町は、日本各地のプロモーション動画を美しく手がける人気映像作家の永川優樹氏にPR動画の製作を依頼、海外にターゲットを絞ったYouTubeの広告戦略を展開しています。

長谷部氏は「最終的には『何もしなくても』顧客を獲得できる方法を考えるのがブランディング。そのためにはストーリーを立て、映像や音楽などプロがつくったものにお金をかけるべきだ。自治体のホームページを見て観光に行こうという人はいない」と指摘します。

今回は、本当に多くの事例について画像や映像で紹介していただきました。超有名ブランドや有名人、大企業の名前も多くあげられましたが、同時に企業規模や金額の大小ではなく、どう戦略を立て、どう発信するかが重要だと教わりました。中小企業であっても世界に発信したり、地域のオンリーワンであったりと活躍する企業はたくさんあります。魅力あるものをつくり、発信する「情熱」こそが大切だと強く感じた講演会でした。