
「平成28年4月定例会情報」
平成28年4月19日(火)、イヤタカで開催された講演会(イヤタカ友の会主催)に、平成28年度第1回定例会として会員18名が特別参加しました。
講師は、島根県隠岐郡海士町から遠路はるばるお越しになられた山内道雄町長でした。
講演会には約200名が参加し、貴重なお話を熱心に聴講していました。
【講演概要】
テーマ 「ないものはない~離島からの挑戦」
【講演内容】
- 海士町は、隠岐諸島の島前三島のひとつ・中ノ島に位置し、本土からフェリーで約2~3時間かかる。冬は欠航して孤島化することもあり、外海離島のハンデキャップが大きいものの、豊かな海と豊富な湧水に恵まれており、自給自足のできる半農半漁の島である。
- 町長に就任後、先ず役場職員の意識改革に着手。役場は「住民総合サービス株式会社」であり、地域経営は企業経営と同じであるという考えを提唱。町長は「社長」、副町長は「専務」、管理職は「取締役」、職員は「社員」であり、住民は、税金を納めた「株主」であって、そのサービスを享受する「顧客」であるとした。
また、町長が「自ら身を削らない改革は支持されない」の信念で大幅な給与カットを宣言したところ、管理職も続いてカットを申し出た。三役・教育長・議員はもとより、職員組合からも自主カットの申し出があり実施した結果、住民からバス料金の値上げや補助金の返上など、自分たちに出来ることはないか、などの声が上がるようになり、住民の意識も変わってきた。 - 町政の経営方針として、「自立・挑戦・交流」~人と自然が輝ける島に~、を掲げた。
- 地域再生戦略として、「島まるごとブランド化」で地産地商(消ではなく商いである)を図っている。東京で認められればブランドになるという考えから、メイン・ターゲットを最初から東京におき、CAS(Cells Alive System)という新技術(細胞を壊すことなく凍結させることができる画期的なシステム。とれたての味をそのまま封じ込め、解凍後もとれたての味をそのまま食することが可能)を導入し、旬の味覚を次々と商品化し、築地市場をはじめ首都圏の百貨店やスーパー、外食チェーンなどへ直接販売。平成19年からは上海へ、平成21年からは米国への輸出も始まっている。
- 地域活性化の要件は、自分たちの地域は自ら守り、地域の未来は自ら築くことであり、その源は「交流」にあり、異質なものを取り入れ、多様性を持ち、互いに変化し成長することである。「若者」・「馬鹿者」・「よそ者」の力が欠かせない。
地域活性化のためには、熱い思いの覚悟を決めた、生き残りの精神を強く持つことが重要であり、また、そこに住む人たちの行動とその環境を作り上げる強いリーダーシップが必要なのだと感じました。
秋田までおいでくださり、ご講演してくださいました山内町長の今後ますますのご活躍と海士町のご発展を心よりお祈り申し上げます。
今回の企画は、イヤタカ友の会 長谷部光重会長(当法人理事長)とイヤタカ 北嶋正社長(当法人副理事長)、男鹿市議会 土井文彦議員の「まちづくり」への思いによるものです。