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平成29年11月28日から29日の二日に渡り、TKC東北会秋田県支部 資産活用委員会 大和部会(部会長 長谷部光重)の視察研修旅行に会員5名が参加し、東京都と千葉県流山市の施設、自然環境に配慮したまちづくりを視察してきました。


11月28日

  • 東京都世田谷区下馬の「サンパパ下馬ハウス」を視察
    1時間耐火性能を有する木製部材を利用した5階建ての建物で、1階が店舗2階から5階までが集合住宅になっています。設計は、秋田公立美術大学 准教授の小杉栄次郎氏で施工は大和ハウス工業です。37坪の変形敷地に木造(1階部分はRC構造)の高さ16メートルほどの建物は、耐火建築物では困難であった「木の肌に触れることができる耐火木造の居住空間」を実現している魅力あふれるものでした。

  • プレミスト白金台(価格1億3,000万~2億3,000万円)を視察
    都心マンションマーケットは、リーマンショック後低迷が続いていましたが、海外からの投資や相続税対策などで需要が回復してきています。
    プレミスト白金台は、大和ハウス工業が売主となっている12階建32戸のマンションで、海抜31メートルの高台にあり地盤も固く、地震や津波に対し強く、白金台駅より1分、「プラチナドンキ」や「マルエツプチ」、「セブンイレブン」などに3分足らずで行ける利便性の高い場所にあります。また、外壁や内装にも職人の伝統技が随所に見られ高級感に溢れていることから、普通借地権付のマンションにおける相続対策や投資物件としても価値のある物件かと思われます。

  • 銀座SIXを視察(旧松坂屋の再開発事業)
    銀座エリア最大の複合商業施設です。241のブランドが集積されており、草間彌生氏のアートや6階にある「蔦屋」と「スタバ」がコラボした店舗は、空間と装飾が素晴らしいものでした。


11月29日

  • 秋葉原駅からつくばエクスプレスに乗車し、一路千葉県流山市「流山おおたかの森駅」へ向かう。およそ25分で到着。
    11月24日に秋田で講演していただいたNPOさとやまの樫理事長と惠良前理事長が、「おおたかの森駅」周辺を案内してくださいました。

  • 駅南口を出ると、他の駅前では見ることができない光景が広がっていました。
    駐車スペースは無く、大勢の子育て世代の母と子供達で溢れ、自由に飛び回っていました。駅前広場の道路を挟んだ所には公園があり、そこではシニア世代がグランドゴルフをしており、駅前で子供達とシニアが楽しんでいる様子は今まで見たことがない光景でした。また、全国的に注目を浴びている駅前送迎保育ステーションは、駅から市内の認可保育園を結ぶバスを運行し、出勤時に子供を預け帰宅時に迎えることができるサービスで、共稼ぎ子育て世代を支援しています。

  • 駅から直結する高島屋の子会社が運営する大型商業施設には、飲食、ファッション、ファッショングッズ、サービス&ビューティ、食料品などの有名店があり、この施設だけで日常生活をするうえで、十分足りると感じました。

  • 駅前公園を過ぎると、絶滅危惧種に指定されているセイタカシギの生息が確認された「市野谷水鳥の池」があり調整池の役割も果たしています。
    駅前周辺住宅地の家は、どの家も緑の垣根を手入れしており、また外灯も各家の門上に設置するなどおしゃれな街並みになっています。

  • 駅から徒歩10分の県立公園「市野谷の森」(通称「おおたかの森」)を視察。つくばエクスプレス開通予定を知り得た時点から、惠良氏が中心となり、絶滅危惧種である“おおたか”が生息する森の一部を守った「市野谷の森」を視察しました。
    オオタカが生息するこの森の近くに、秋葉原とつくばを結ぶ鉄道計画が浮上し、関連開発で森も消滅する危機となったことで、惠良氏を中心とする樫氏らのNPOさとやまが他の市民団体とも協力し行政への提案と交渉を粘り強く続けた結果、およそ25ヘクタールを残すことができた森です。「おおたかの森」や調整池、市内を流れる大堀川などを核とした「水と緑の回廊(コリドー)」と生態系ネットワークを構築することを目標にしているとのことです。
    森の小径以外は、手つかずの自然であり生物多様性を維持しており、オオタカを頂点とする生き物として、野鳥やうさぎ、きつね、たぬきなどの動物、植物、蝶やトンボなどが生息していることから、これからも生態系のサンクチュアリを守っていけるよう整備していくとのことです。残念ながらオオタカを見ることはできませんでしたがムラサキシジミ蝶が私達を迎えてくれました。
    NPOさとやまでは、こども向けの自然観察会などの活動を行っており、地域の子育て支援に協力しています。


流山市の人口は、平成23年に比べこの6年間で16,000人増加し181,000人となっています。その要因は、市役所にマーケティング課があり、まちづくりのマーケティングとブランディング戦略が必要との認識から、都心に近く、通勤に便利、緑豊かで街並みも綺麗、駅前広場の側にはマンション群があり、一戸建て住宅も3,000万円を切る価格で購入できる地区もあり、加えて豊かな自然環境は子育てするうえで魅力であるという利点を発信し、共働き子育て世代をターゲットにしたことにあります。
「母になるなら、流山市」「都心から一番近い森のまち」のキャッチフレーズも効果的であったと思われます。行政とNPOさとやまや市民団体が協働で「まりづくり」に取り組んでいることが伺える視察でした。