2025.12.16

TKC東北会秋田県支部 大和部会の研修旅行~兵庫県、大阪・関西万博~ 

令和7年6月4日(水)~6月5日(木)、TKC東北会秋田県支部 資産活用委員会大和部会の研修旅行に、当法人7名が参加しました。兵庫県芦屋市にあるヨドコウ迎賓館、高級住宅街の六麓荘町、神戸市の有馬温泉、大阪・関西万博などを視察し、見聞を広めました。

【近代建築の巨匠が手がけたヨドコウ迎賓館】

ヨドコウ迎賓館は、アメリカの建築家で「近代建築の三大巨匠」と呼ばれるフランク・ロイド・ライトが設計を手がけました。灘にある造り酒屋「櫻正宗」の八代目当主、山邑太左衛門の別邸として建てられた住宅で、旧山邑家住宅と呼ばれる近代的な建物。1947年に淀川製鋼所(ヨドコウ)が購入し、一般公開されています。1979年には、鉄筋コンクリート造の住宅建築では初めて、国の重要文化財に指定されました。山邑氏の娘婿が、旧帝国ホテルを建設するため来日していたライトの弟子である建築家・遠藤新と友人だったため、ライトに設計を依頼したそうです。

淀川製鋼所は、山邑亭を取り壊してマンションを建設する計画を立てていましたが、地元住民や建築関係者が反対し、まちづくり運動を展開して保存を実現させました。建物を取り巻く芦屋の美しい風景、街並み、空間を残したいという思いが強かったと言われています。

ライトは自然と建築の融合を提唱。門をくぐった後は、玄関までの緑豊かなアプローチを歩き、右手に見える建物を眺めながら正面玄関に向かいます。玄関に隣接した車寄せや屋上ぼバルコニーからは、市街地や六甲の山並みが一望できます。六甲山地から伸びる丘陵の斜面を利用して階段状に建てられているため、4階建てですがどの断面も1階または2階までの構造。内部も独特なデザインが多く、採光などにも工夫が感じられました。芦屋市では、平成10年に建物北側の土地を買い上げ、山手南緑地として整備し景観を保護しています。

ヨドコウ迎賓館へと続く通称「ライト坂」 
建物と自然が調和したアプローチ 
重厚感のある正面からの外観 
車寄せの脇にはベンチが置かれ、絵画のような眺望。
特徴的なデザインの2階応接室 
応接室北側の暖炉と両側出入口は、シンメトリー(左右対称)なデザイン。
リボンで装飾されたライト 
当初は設計になかった3階の和室。山邑家の要望でつくられました。
和室にある飾り銅板の窓 
廊下の窓には、植物をモチーフにした飾り銅板 
木枠のデザインが印象的な4階の食堂 
食堂から外に出られるバルコニー 
バルコニーからは市街地や山並みが一望できます。

【日本屈指の高級邸宅街、六麓荘町】

高級住宅が立ち並ぶ芦屋の中でも、六麓荘町は日本屈指の高級邸宅街。「六甲の麓の自然豊かな地に、東洋一の別荘地をつくろう」という発想からその名がついたと言われています。町を開発・管理するため、大阪の経済人を中心とした人々が出資して「株式会社六麓荘」が設立されました。車窓からの見学でしたので写真撮影はあまりできませんでしたが、様々なデザインの豪邸が立ち並びながらも、各家々と共用部には緑が多く、ヨドコウ迎賓館と同じように自然と調和した街だと感じました。六麓荘町には「六麓荘地区 地区計画」があり、建てられるのは戸建ての豪邸だけ、1戸あたりの敷地面積は400m2以上、高さは10m以下、個人住宅か別荘に限られマンションや事務所は建設できないなど、細部にわたり制約や条件があります。この協定は、昭和初期に開発された当初の理念を町内会が継承し、戸建て住宅地としての緑豊かで良好な住環境を保全・育成するためのもの。住民の熱意と努力により、日本でも屈指の緑豊かで自然に恵まれた、良好な街並みが形成されています。 

旧六麓荘の入口にある石柱
(六麓荘町町内会ホームページより引用)
豪邸と自然が調和した街並み

【豊臣秀吉が愛した「有馬温泉」】 

「日本最古の湯」「日本三名泉」に数えられる神戸市北区の「有馬温泉」は、神代の昔に遡った伝説もあるほど古い温泉です。豊臣秀吉も有馬温泉を愛し、何度もお湯を楽しんだそうです。塩分と鉄分を含む赤湯「金泉」、サラサラした無色透明の湯「銀泉」という2つの湯があり、療養泉として指定されている9つの主成分のうち、7つも成分が含まれている珍しい温泉です。

温泉街の玄関口には「有馬川 河川親水広場」があり、清流や有馬川沿いを散策できます。訪れた日も、清流に足を入れて涼む人や、散策する人で賑わっていました。レトロな景観の街並みで、老舗の旅館やホテル、お土産屋、料亭、歴史ある寺院などが立地する一方、おしゃれなカフェや若者向けの飲食店も多く、新旧が混交した味わい深い景観でした。有馬温泉の湯に含まれる炭酸を含んだ名物「炭酸せんべい」を買い求める人や、無料の足湯を楽しむ人など、老若男女が練り歩く素敵な温泉街でした。

清流が流れる河川親水広場
レトロな小路には、鯉のぼりが出ていました。 

【いのち輝く未来社会のデザイン、大阪・関西万博】

大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマ、「未来社会の実験場」をコンセプトに大阪市此花区の人工島「夢洲」で開催されており、最新の技術、世界各国の文化やグルメ、未来社会の体験、建築技術・建築デザインなどを楽しめるのが魅力です。万博のシンボルで世界最大級の木造建築物「大屋根リング」が、万博を構成する8つのゾーンを繋いでいます。各国の特徴的なパビリオンが立ち並び、予約をしなくても万博の雰囲気や比較的空いているパビリオンの見学、外観だけの見学、グルメなどは楽しむことができます。ちなみに人気パビリオンのイタリア館はこの日、5時間待ちだったそうです。各国のパビリオンでは、デジタルサイネージを始めとするデジタル技術を至るところで使用しながら、最新技術や各国の伝統、文化を展示・紹介していました。また、細胞(赤い部分)と清水(青い部分)が一体となった公式キャラクター「ミャクミャク」も人気で、公式ショップはミャクミャクグッズを買い求める来場者でびっしり埋めつくされています。人間のDNA、知恵、技術、文化など、受け継がれてきた可能性を身に宿し、「脈々と」未来に繋いでほしいという希望が込められた、まさに万博を象徴するキャラクターです。大阪・関西万博は10月13日まで開催されています。

東ゲート入口。各国から多くの人が集結し、混雑しています。 
大屋根リング。1周約2km、内径約615mの世界最大木造建築物 
大屋根リングは、日本の伝統工法「貫(ぬき)構法」。風通しが良く涼しいため、休憩する人も多くみられます。
大屋根リングの上部は屋上デッキ「リングスカイウォーク」になっており、上から万博会場を一望。植栽は大和ハウス工業が手がけました。
屋上デッキからは会場が一望でき、どこに何のパビリオンがあるかがすぐにわかります。
ドイツや韓国のパビリオンが見えます。
大和ハウス工業が手がけた「いのちの遊び場 クラゲ館」。丘の上にくらげのような膜と「創造の木」という木材でつくられた大屋根が特徴的です。
ベトナム館に入場してみました。
ベトナムの歴史や文化に触れられるパビリオンの内部。
「愛の賛歌」がテーマのフランス館。劇場のカーテンのような外観が特徴。
「調和の未来を紡ぐ」マレーシア館。竹の織物のような建築は、隈研吾さんが設計を手がけました。
曲線が印象的なアゼルバイジャン館。
スペイン館の大きな階段は、屋外劇場も兼ねています。海と太陽という2つの要素を取り入れた建築です。
フィリピン館の外観は、フィリピンの職人たちによる手織りの織物が使用されています。
フィリピン館の内部には、綺麗な織物がたくさん展示されていました。
デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンという5つの北欧諸国が共同出展したパビリオン「ノルディック・サークル」。
全国から集めた茅を使った屋根が特徴的な「Earth Mart」。コンセプトは「食を通じて、いのちを考える」で、内部はスーパーマーケットのようになっています。
われらがJapan、日本館。円環状の構造で、「いのちのリレー」を体現しています。
隈研吾さんが設計を手がけたポルトガル館。海を建築として表現し、帆船のロープが無数に吊るされている外観です。
アメリカ館も、かなりの人が並んでいました。テーマは「共に創出できることを想像しよう」。巨大なLEDスクリーンのある外観が目を引きます。
サウジアラビア王国館にも、並んでみました。外観の素材である石は、現地から運んできたそうです。
サウジアラビアの伝統的な織物を織る様子です。「何の毛を使っているでしょう?」とクイズを出すおねえさん。正解はラクダの毛でした。羊やヤギの毛も使っているそうです。

今回の研修では、貴重な国の重要文化財や、景観を守り美しい街並みを形成している邸宅街、歴史のある温泉街など日本の歴史・文化に触れた後、話題の大阪・関西万博で世界各国の文化や雰囲気、特徴のある建築物、最新の技術に触れることができ、見聞を広めることができました。研修で見たこと、感じたこと、考えたことを秋田のまちづくりに生かしていけるよう、活動していきたいと思います。

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